近年、M&Aでも資金調達でも、投資ファンドが出てくることが多くなりました。

そこでよく出てくるのが「キャピタル・コール」という言葉ですが、法律用語ではありません。

3分で理解できるようにポイントをまとめてみます。

ポイント1 キャピタル・コールとは、”投資ファンドが投資家に出資を求めること”をいう

投資家は、投資ファンドに対して投資資金の出資を行う必要がありますが、その出資のタイミングには3種類あります。
  1. ファンドに参加する時点で全額を出資する。
  2. あらかじめ決まったスケジュールで分割して出資する。
  3. ファンドから求められた段階で求められた金額を出資する。
3番目の方法をキャピタル・コール方式と言います。

そして、キャピタル・コールとは、投資ファンドが投資家に出資を請求めることをいいます。

投資家は、ファンドからキャピタル・コールを受けたときには、出資を行うことが義務づけられます。

ポイント2 キャピタル・コール方式では、投資家は投資ファンドに対してあらかじめ出資を約束している

キャピタル・コール方式のファンドでは、投資ファンドの各投資家は、ファンドに対して出資する金額の上限をあらかじめ合意しておきます。この約束した金額のことを、キャピタル・コミットメントとか出資約束金額とかいいます。

ファンドは、この金額の範囲でキャピタル・コールを行います。

ポイント3 投資ファンドは、投資の必要が生じたときにキャピタル・コールを行う

投資ファンドは、投資の必要が生じたときにキャピタル・コールを行います。

これは資金の無駄な滞留を防ぐことを目的としています。

キャピタル・コール方式では、必要なときに必要な金額の出資を受けることができるので、ファンドに無駄な資金が滞留することはありません。

さらに、内部収益率(IRR)は出資された後からの計算になるので、ファンド側としてもキャピタルコール方式が好まれます。

ポイント4 キャピタル・コールは、各投資家のコミットメント額に応じて、按分して行われるのが一般的

キャピタル・コールは、各投資家のコミットメント額に応じて、按分して行われるのが一般的です。

例えば、以下のような2名の投資家で構成されるファンドがあるとします。

 A:出資約束金額 2億円
 B:出資約束金額 4億円

このファンドで3億円の投資を行う場合、Aに対しては1億円、Bに対しては2億円のキャピタル・コールがなされます。

ただし、ファンドが行うある投資について、一部の投資家が参加しない場合がありえます。この場合、出資約束金額に応じてキャピタル・コールがなされるのか、出資約束金額の残額に応じてキャピタル・コールがなされるのか、については契約書に明確に規定しておく必要があります。

もう少し込み入った話は別館(キャピタルコール方式 その1)にて。